遺伝子の異常が原因になって起きる病気のことで、主に以下の 5 つに分類されます。
1 ) 単一遺伝子病
2 ) 多因子遺伝病
3 ) ミトコンドリア遺伝病
4 ) 染色体異常症
5 ) 体細胞遺伝病
1 ) 単一遺伝子病 ある一つの遺伝子の変異が直接発症の原因となる病気のことを指し、常染色体優勢、常染色体劣勢、X染色体連鎖性の 3 つがあります。
常染色体劣性遺伝病について説明します。
犬の場合、性染色体以外の常染色体は雄親と雌親から受け継いだ一対の遺伝子を所持しています。常染色体 2 コのうち、両方とも正常な遺伝子を持った個体( AA )だと病気にはなりません。反対に両方が病気の原因となる遺伝子を持った個体( aa )だと病気が発症します。( AA )と( aa )の個体をかけ合わせると、子供は全て( Aa )となります。では、その個体( Aa )は病気を発症するのでしょうか?
劣性遺伝病の場合、病気の原因となる遺伝子 a という遺伝子よりも、正常な遺伝子 A のほうが力が強いため、( Aa )は全て病気を発症しません。つまり、正常な遺伝子 A に対して、病気の原因となる遺伝子 a は劣性というわけです。
メンデル遺伝の図

つまり、劣性遺伝子疾患は病気の原因遺伝子を両方持たないと病気になりません。両方のタイプを1つずつ持ち、発症しないタイプ( Aa )をキャリアといいます。

遺伝病の怖さはキャリアの存在にあります。つまり両親とも正常で病気を発症していなくても、劣性遺伝疾患と場合、両方がキャリア( Aa )である可能性があり、そこから産まれた子供は 1 / 4 の確率で遺伝病を発症( aa )してしまうのです。
また、正常な個体とキャリア( Aa )を交配すると、 50 %の確率でキャリア( Aa )が生まれてきてしまい、病気の原因遺伝子をばらまくという結果になってしまいます。
このように一つの遺伝子を原因とする疾患の場合、遺伝子診断を行うことで病気の遺伝子を保持しているかどうかを、比較的容易に検査することができます。
2 ) 多因子遺伝病 複数の遺伝子と生まれた後の環境とが互いに関与し発症する遺伝病。遺伝病として定義される疾患のほとんどが含まれ、生活習慣病などが例として挙げられます。 1 つの遺伝子は「少し血圧を高くする」程度しか影響を与えませんが、複数の遺伝子が同じように影響を与え、さらに運動不足などの環境要因と組み合わさることにより、高血圧などになるというわけです。犬の場合には股関節形成不全などの関節疾患があげられます。
メンデルの法則が当てはまらず、また、環境の影響も受けているので原因遺伝子の特定などが困難となります。
【遺伝病のまとめ】
遺伝病を減少させていくには、遺伝病を持った犬が生まれてしまった後に対処療法を行うのではなく、繁殖を行う前の遺伝子検査が必要とされます。また、飼い主が正しい知識を持つことも重要です。
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